@sushiの日常

中堅経理のつぶやきの延長です。

経理の仕事って何?【資産管理編-2】

 

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みなさんこんにちは。

 

久々に昼間に投稿します。笑

 

今回は前回の続きで経理業務のうち、資産管理について書いていこうと思います。

 

 前回は以下の項目のうち、1~4まで書きました。

まだ、読まれていない方は是非ご一読いただけますと幸いです。

 

1. 現金及び現金同等物の管理

2. 売掛金の管理

3. 売掛金以外の未収入金の管理

4. 棚卸資産もしくは商品残高の管理

5. 固定資産の管理

6. 売買目的有価証券の管理

7. 売買目的以外の有価証券の管理

 

では、本日は5つ目の固定資産管理から書いていこうと思います。

 

固定資産管理(有形、無形)、と一言にいっても結構大変です。

この業務は現預金や売掛金の管理とは違って、あまり経理チックではないかもしれません。

皆さんがイメージされる経理と違って固定資産管理は結構泥臭い仕事です。

 

まず、皆さんにお伺いしたいのですが、「固定資産」とは何でしょうか?

 

固定資産とは取得価額が10万円以上で且つ1年以上に渡って使用される設備や備品、無形資産、その他権利等のことを指します。

ただし、企業によっては取得価額が10万円~20万円以下のものを一括償却資産として費用処理していることもあります。

 

という条件が入ってくると、そもそも貸借対照表(BS)に計上するもの、しないものの判断が難しくなってきます。

 

まず、固定資産の購入から考えていきましょう。

ここで再び質問ですが、価格100万円の設備を購入した場合、BSに計上する設備の取得価額はいくらでしょうか。

 

 

正解は「100万円の購入価額+取得にかかる不随費用分」を固定資産として計上することになります。

では、取得にかかる不随費用とは何でしょうか?

 

取得にかかる不随費用とは、購入資産が設備等であった場合、設備の据え付け費、初期設定費用、設置にかかる電気工事等のことを指します。

一般的に「設備の用に供するまでに不随する費用のこと」ですね。

なかなか実際に資産の購入等をしてみないとわからないことですが、一般的に販売されている設備や備品で初期の据え付け費用がかかるものは結構あります。

工場の設備なんかは当然、設備だけドンと運んでこられても設備としての機能を発揮しないので、ピット工事をしてその設備の置き場に固定し、電気工事をして電源をいれます。

また、設備内にソフトが内蔵されている場合には当社の製品に対応するよう初期設定を行い、実際に製品を使って試運転を何回かして、品質面、能力面をクリアして初めて孫設備の機能が発揮できる状態となります。

設備が実際に動き、能力を発揮できるような状態になるまでにかかる設備本体以外の費用が資産取得にかかる不随費用になります。

ただし、取得にかかる費用のうち、税金や利子については取得価額に含めないことができます。(含めても可です。)

 

いかがでしょうか?

意外とややこしいな、、、と思われたでしょうか?

 

つまり、設備や備品等を購入した場合には、金額(本体価額と不随費用)、使用実態(使用予定)を鑑みて、まず「固定資産の計上が妥当かどうか」を判断する必要があります。

 

今まで紹介してきた現預金や商品残高は、そのものがあるかどうか、あればBS計上という流れでしたが、固定資産についてはまず取得の段階から経費処理が妥当か、固定資産処理が妥当かを日々判断していくことになります。

 

特に本体の購入については設備等の規模にもよりますが数百万円~数千万円の場合があるので、買掛計上明細でも確認しやすいですが、不随費用については明細だけでは確認できないことも多く、常に生産技術部や製造部とは連携を取り、どこまでが不随費用かよく吟味し、その固定資産の取得価額を決定します。

 

また、設備や備品本体について実際に実物を確認したり、不随費用の実態を確認しに行ったり、実際に固定資産として計上するのが、機械装置がいいのか備品がいいのか等を確認するために、固定資産担当者は結構現場へいきます。

デスクワークになりがちな経理ですが、現場へ行く数少ない業務です。

これが嫌という人もいますが、個人的にはいろいろ工場内を動けて見れるので楽しい業務だと思ってました。

 

ここまで固定資産の取得に関して記載をしてきましたが、注意をしなければならないのが、いわゆる「固定資産逃れ」です。

固定資産逃れとはつまり固定資産に計上しなければならないものを経費として処理してしまうことです。

固定資産逃れは固定資産税未納となるだけでなく、費用として一次処理しているので法人税金額も過少に支払っていることになり、見つかると追徴課税として相当の金額を追加で支払わなくなるので、経理としては絶対に避けなければなりません。

 

では、固定資産逃れとはどういった場合に発生するのでしょうか?

 

たとえば、1個100円のレンガを一つ購入したとします。

この時点では金額が10万円以下のため、金額基準で固定資産になりません。

 

ただ、1個100円だからと経費処理をしていたら、実は10,000個レンガが購入され、それらを組み上げて小屋が建っていたとなったらどうでしょうか?

ざっくりでも100円×10,000個=1万円となり、固定資産としてBSに計上すべき案件となります。

この場合、単価の小さいレンガとしてすべて経費処理していた場合は固定資産逃れとなってしまいます。

 

上記は簡単な例として出しましたが、例えば高額なパソコンをモニターとサーバーとキーボード、マウスと分けて購入されたらどうでしょうか?

 

固定資産担当は常に買掛計上内容を確認し、不審な経費の購入がないか、意図していない固定資産逃れがないかを確認していく必要があります。

 

一応ここまでの例は原則有形固定資産をもとに記載してきましたが、無形資産(ソフト等)でも原則は同じです。

無形の場合は目に見えないというところもあるので、さらに注意が必要です。

 

と、ここまで書いてきましたが、固定資産の取得だけでも結構かかってしまいましたね。笑

 

本当はここからBS計上にて計上する区分の話や実際のモノの管理から最終的に廃却するところまで書こうと思っていたのですが長くなりそうなので、また分けます。笑

 

固定資産管理のポイントと、資産管理全体のおさらいは、次回以降にします。

 

ここまで読んでいただいてありがとうございました。

気になった個所等あればお気軽にコメント等でご連絡ください。

また、いいねや共有もしてもらえると今後書いていく励みになります。

よろしくお願いします。

 

本日もありがとうございました。

皆様良い週末をお過ごしください。

 

ではまたお会いしましょう。